たにーです。
犬を描けば人面犬、魚を描けば人面魚。
ドラえもんはドロボウ猫に。
絵心がゼロというより、むしろマイナス。
あまりのヒドさに、笑いを通り越して
怒りすら込み上げてくるレベル。
逆に、どうすればこんなものが描けるのか。
これは、ある種の才能なのか。
子供に「絵を描いて!」と言われても
頑なに断り続けてきました。
バカにされて、笑いものにされて、
父親としての威厳を失うことが怖かったからです。
最後に絵を描いたのはいつだったか・・・。
記憶をたどってみても、覚えているのは
小学校の時にコンテで描いたスケッチくらい。
絵の具とか、いつから触ってないかわかりません。
そんな僕が、ひょんなことから、20数年ぶりに
ガチで絵を描くことになりました。
サイトウパピコさんのアボリジニアートの
点画教室に参加することになったんです。
参加メンバーの名前を聞いて愕然としました。
はっきり言って、場違いだと思いました。
「おまえ、なにそれ〜」
「クスクス」
「宇宙人!?」
「人面犬!(笑)」
「未知の生物!(爆笑)」
忘れていた過去の苦い思い出がよみがえりました。
歴史は繰り返す・・・。
「たにーさんは、ダメですね〜」
「ある意味、センスありますよね!(笑)」
「とても素晴らしいです!(爆笑)」
この点画教室で、僕はまたやらかして、
大切な人たちに見限られてしまうんじゃないか。
大きな不安が頭をよぎりました。
「そんなことになるくらいなら、
いっそのこと、やめておいた方がいいのかも」
そう思ったりもしたのですが、
ここでやめてしまえば、僕は一生
負け犬のままで終わってしまいます。
何より、自分に負けてしまうことが
悔しかったんです。
「恥をかけ」というのが
僕の先生の教えでもあります。
僕は、恥をかくことに決めました。
もちろん、新しいことにチャレンジするという
期待やワクワクはあったんです。
が、それ以上に絵へのトラウマに対する
不安の方が大きかったです。
「再起不能になるかもしれないが、
自分の成長のためには、避けては通れない道だ」
ただ点を打つだけの絵とはいえ、
まともに絵を描いたこともないような人間には
とてつもなく高いハードルに思えました。
アイデア、下絵、色づかい・・・
何をどうすればいいのか、
まったく見当がつかないからです。
事前に配られた資料に目を通すも、
なかなかいいアイデアが思い浮かびません。
色についての説明も読みましたが、
よく理解できませんでした。
そうこうしているうちに、気がつくと
もう開催日が目前に迫っていました。
「これは、終わったかも・・・」
そんなとき、「チャリーン」と
メッセンジャーにパピコさんから
メッセージが届きました。
「どうですか?」
「行き詰まってます・・・」
準備でお忙しいにも関わらず、
急きょスカイプしてもらえることに。
悩みを包み隠さず、すべて打ち明けたところ
いろんなアドバイスをいただきました。
何を描けばいいのか、どうすれば
うまく描くことができるのか。
世界観、レイアウト、込めたい思いなど、
的確なアドバイスで、その場でどんどんと
形にすることができました。
で、迎えた当日。
講師のパピコさんの説明が終わると、
さっそく作業開始です。
しっかり準備してきたつもりだったのですが、
初めてのことで、なかなか思うようにいかず。
焦る気持ちとは裏腹に、
時間だけがどんどん過ぎていきます。
「たにーさんは、ヤバい気がします」
先生がおっしゃいました。
「確かに、これはヤバいかも・・・」
全然前に進まず、頭が真っ白に
なりかけてたところに、すかさずパピコさんが。
手順とコツを個別に詳しくレクチャーしてくれて、
なんとか前進し始めました。
その後は、要所要所でアドバイスを
いただきながら、どんどんと作業を
進めていくことができました。
開始から約2時間で下塗りまで完成させ、
その後はひたすら点を打つ。
で、気がついたら、もう夕方。
時間ギリギリまで点を打ち続け
なんとか完成させることができました。
朝9時から始まり、夕方5時30分まで、
途中30分ほどのランチタイム以外は、
ほぼぶっ続けで絵を描き、点を打ち続けてました。
終わった時の達成感は、ハンパなかったです。
仕事以外で、こんなに集中して
何かに打ち込んだのは、本当に久しぶりです。
そして。
最後にドラマが待っていました。
犬を描けば人面犬、魚を描けば人面魚、
挙句の果てに、未知の生物などとののしられ
涙で枕を濡らしてきた幼少時代。
絵を褒められたことなんて、
もちろん一度もありません。
もし、あるとしたら、小学校の先生が
苦しまぎれにくり出す「よくできました」の
花マルくらいだと思います。
絵を描くことを拒否し、ひたすら
逃げ続けてきた、これまでの人生。
「もう二度と絵を描くことはない」
そう決意していた僕が、意を決して
20数年ぶりに描いた絵に、なんと・・・
「素晴らしい」
という言葉をいただくことができたんです。
正直、泣きそうになりました。
そして、この数時間で、これまでの
嫌な思い出やトラウマは、すべて
消え去ってしまいました。
自分でも、まさかこんな作品が描けるとは
夢にも思っていませんでした。
自分が一番ビックリしています。
参加しようかどうしようか、
真剣に悩みましたが勇気を出して
点画教室に参加して、
本当に良かったと思います。
今回、僕が描いた点画のテーマは、
「家族の絆」です。
僕は、何よりも家族を大切に思っています。
僕には嫁さんと3人の子供がいますが、
僕のところに来てくれて、
心から感謝しています。
自分で言うのもなんですが、
「よくこんな個性的な人間が揃ったなぁ」
というくらいユニークな人間が集まっていて
僕はこれを、「奇跡の家族」と呼んでいます。
ていうか、確率論で言うと、
世界中の家族すべてが「奇跡の家族」
なんですけどね。
家族がいなければ、今の僕はありません。
心から、そう感じています。
やりたいことがありすぎて、
今世では、すべてできそうにないです。
子供でいるうちに、やっておきたいことも
たくさんあるのですが、時間が経つのが早くて
なかなか思うようにできません。
そうこうしているうちに、
子供はどんどん大きくなってます。
多分、やりたいと思いながらできないことが
どんどん増えていくと思います。
なので、また来世でもこの家族と一緒になって、
今世でやり残したことをやりたいと
思っているんです。
もしかしたら、嫁さんや子供たちは
「いや、別がいい!」
というかもしれませんが(笑)
中心にあるのは、太陽。
生命のシンボルです。
その周りにいる5人の人間は、
言うまでもなく、僕の家族です。
その家族を取り囲むのは、
幸運の象徴である「虹」。
太陽の周りに虹があるとラッキー、
縁起がいい、幸運が訪れる、と
パピコさんが教えてくれました。
その周囲は、青緑。
地球をイメージしています。
1色で表現した方がいい、
というアドバイスをいただいたので、
海と緑を融合させた色を選びました。
太陽は「家」を暗示していて、
また来世でも、みんながここに集えるように
という思いを込めています。
どこに飾るのか、そして誰が見るのか。
パピコさんから、このアドバイスを
いただいた時に、すぐに浮かんだのが
これだったのです。
他人の評価はどうあれ、
自分では心から満足出来る作品を
描きあげることができました。
しかもなんと、額装をして
お家まで郵送してくれるので、
とても助かります。
届いたら、すぐに玄関に
飾りたいと思います。
届くのが、今からとても楽しみです。
他の参加者の方の作品も、
どれもすごいものばかりでした。
そして、この1日で、僕は
絵を描くのが大好きになりました。
さっそく画材を買い出しに行って、
家族で点画を描く予定です。
勇気を出して参加して良かったと
心から思っています。
次はいつ開催されるかわかりませんが、
機会があれば、また参加したいです。
絵が得意な人も苦手な人も、
機会があれば、ぜひ参加してみてください。
一人でも多くの人に、この点画の楽しさを
味わっていただきたいです。
「誰にでもできます!」
というパピコさんの言葉に、
ウソ偽りはありませんでした。
失笑レベルの絵しか描けない僕ですら
描けたのですから、本当に誰にでもできます。
いつかはわかりませんが、
「また開催したい」とおっしゃっていたので、
そう遠くない未来に開催されるはずです。
興味のある方は、ぜひパピコさんと
Facebookでつながるか、投稿やページを
フォローしてチェックしてみてくださいね。
会場や画材などの準備、絵の指導を
していただいたパピコさん。
食事や撮影でサポートしていただいた堀田純さん。
多くのアドバイスをいただいた平先生。
そして、ともにひたすら点を打ち続けた
参加者の方々。
本当にありがとうございました!
追伸:
点画教室でのランチ。
堀田純さんが、出張シェフで
つくってくれました。
写真は、1枚しかありませんが。
イタリアンとスパニッシュの融合?
って言ってたかな・・・。
よく覚えてないのですが、
めちゃくちゃ美味しかったです。
特に、特製ソースをかけた
ふわとろオムレツは最高でした。
9人分の料理を、買い出しから完成まで
わずか3時間弱。
しかも、オリジナルデザートまで。
点画を描いてる最中に、ニンニクの
香ばしい香りとか漂ってきて、
かなり集中力をそがれましたけど(笑)
4歳からキッチンに立っていたというだけあって
とにかく手際の良さがハンパありません。
料理のできる男は、カッコイイです。
僕が女だったら、
まず放っておきませんね。
僕も本気で料理を習おうかな、
と思いました。
来年は、料理に挑戦です!
堀田さん、準備から後片付けまで
ありがとうございました!
ちなみに、堀田さんは
料理だけじゃなくて、カメラの腕前も
超すごいんです。
一体、何者なんだ、という(笑)